余命を知った時、限られた最期の時間をどこで過ごしたいですか?
おそらく多くの方が「病院や施設ではなく、最期は住み慣れた自宅や家族と過ごしたい」と思われているのではないでしょうか?
厚生労働省 「人口動態調査」によるとこのような結果が出ています。
上のリサーチでもわかるように、ご本人はもちろんご家族も「ずっと入院や治療などで大変な思いをしてきたのだから最期くらいは家に帰してあげたい」という希望はある反面、自宅でのお世話や病気と向き合うということに対して不安を抱いているのも事実です。
私どもが多くのご利用者様やそのご家族とお話をさせていただく方の中にも、病気により「終末期」を宣告されたという方の多くが最期は自宅で過ごしたいとおっしゃっていますが、現実には病院で最期を迎えられる方がほとんどです。
目次
自宅で少しでも快適に最期のひとときを過ごすための環境づくりを提案
確かに自宅で過ごすためには医療的な処置や排泄のお世話、緊急時の対応、何より終末期を迎えている方や病気と前向きに向き合う覚悟が必要になってきますし、多くの苦労やストレスがかかってくると思います。
また具体的に自宅で医療や介護を受けるためにはどうすればよいのか?や、自宅でのお世話にはどのようなものが必要で、どうやってそれを揃えれば良いのか?などわからないことが多くあると思います。
そのようなときこそ、私どもがご家族と一緒に「自宅での看取り」をするためのよりよい環境づくりをサポートしたいと考えています。
住み慣れた家で最期を迎えた方々の実例
今回は、最後の時間を住み慣れた家で過ごされたAさんの事例をご紹介します。
末期がんでの余命宣告後、大好きなご家族と過ごしたあたたかな時間
Aさん 63歳 男性
●訪問診療(医師)と訪問看護、訪問入浴の導入が同時に決まりました。
●カンファレンスでは必要な福祉用具を医師や看護師に聞き取りをしながら選定。
Aさんに必要だと選定したのは「介護ベッド(特殊寝台)」「ベッド付属品(テーブル、サイドレール)」「エアマット(床ずれ防止用具)」でした。
●退院に合わせて病院のSW(ソーシャルワーカー)や医師、看護師、退院後のケアプランを立てるケアマネジャー、介護サービス事業所(この中に私たち福祉用具専門相談員)、そして家族の方で退院前のカンファレンスを行いました。
●まずはご家族が介護の新規申請を行いました。介護認定は確定していなくても病状や病気により暫定での利用も可能ですが、いずれにせよ早急に手続きをすることをおすすめしました。
●Aさんは病院から末期の肺癌で、医師からは余命1か月との宣告がありましたが、ご本人とご家族の強い希望があり退院しました。
ケアプランに応じて最適な介護・福祉用具を導入
退院前にベッドの搬入を行い、受け入れ態勢を整えました。
Aさんは家族の顔が見えるようにしてほしいという希望がありましたので、リビングにベッドを置きました。
実際に導入したベッドはこちらです。
【楽匠Z3モーター】
ベッドが傾くことによってより楽な姿勢で過ごすことができます。
ベッドの上がり下りも楽に行なえ、テレビや食事をするのにも便利です。
その他にも以下の福祉用具をご利用いただきました。
【テーブル】
キャスターが付いたテーブルは引き寄せることで水分や食事を取ることができます。
【エアマット オスカー】
自動体位変換(自動で寝返りをうたせる機能)が付いているマットレスです。
同じ場所に圧が掛からないように自動で除圧と寝返りをうたせてくれます。
また、お世話をするご家族の体位変換の負担を無くすことができます。
退院後は定期的に医師の訪問があり、訪問看護が毎日来てくれます。
ご家族も最初は不安も多かったそうですが、看護師や医師にその都度相談をし、安心して過ごせたとおっしゃっていました。
Aさんは当初の希望どおり、ご自宅でゆっくりと過ごすなかで、ご家族の懸命の介護とAさん自身の強い生命力によって余命宣告された1ヶ月よりも2ヶ月長い3カ月、自宅で過ごすことができました。
家族の方も「自宅で介護して最後まで看取ることができたことに苦労も多かったけど満足しています。悔いはありません。」と言っていました。
「自宅で看取る」ということは多くの苦労もありますが、本人の自宅へ帰りたいという気持ちや、家族の気持ちを考えても良い部分も多くあると思います。
私どももこのように、お客様の最後の時間を共有させていただき、喜んでいただける仕事に就けていることを誇りに思います。
まだまだ多くの方の帰りたいという希望をこれからも影ながら支えていきたいと思います。
ダスキンヘルスレント大分南ステーション
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