「フレイル」ってなにかご存知ですか?
超高齢化社会を迎えている日本において、フレイルは大きな社会問題になりつつあります。
フレイルとは、「虚弱」を意味する言葉で、病気ではないけれど年齢とともに筋力やからだの機能が低下して、健康な状態から要介護状態へ移行する中間の段階と言われています。
高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、様々な合併症を引き起こす危険があります。
脳疾患などの疾病や転倒などの事故により、健常な状態から突然要介護状態に移行することもありますが、高齢者の多くの場合はフレイルの時期を経て、徐々に要介護状態に陥ると考えられています。
フレイルの基準
フレイルの基準は5項目あり、3項目以上が該当すると、フレイルと判断されます。
1または2項目だけ該当する場合は、フレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。
①体重減少:半年で2~3kgの減少
②疲労感がある:何をするのも面倒だと感じることが週に3~4日以上ある
③歩行速度の低下
④握力の低下(男性:26kg 女性:16kg未満)
⑤身体活動量の低下
フレイル状態になるとどうなるのか
フレイルの状態になると、死亡率の上昇や身体能力の低下、認知機能の低下が起こります。
また、ストレス耐性なども低下し、免疫や身体能力も弱っていることから病気に罹患しやすくなり、転倒しただけで骨折をして入院を余儀なくされ、そこから更に筋力が落ちてしまうといった悪循環に陥ってしまうこともあります。
このように、ちょっとしたケガや病気が致命傷になってしまいます。
フレイルになる原因
フレイルには、筋肉を中心とした身体の弱まり(身体的フレイル)、認知機能障害やうつといった精神的な弱まり(心理的・認知的フレイル)、独居、貧困、引きこもりなどの社会的な弱まり(社会的フレイル)があります。
原因は多くありますが、大きく分けて「栄養不足・運動不足・社会参加不足」に分けられます。
栄養不足
高齢者は、加齢による食欲低下や、食べ物を噛む力・飲み込む力の衰えから、食事量が減り、栄養不足になりやすくなっています。
栄養不足になると、筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下するため、フレイルの悪化を招きます。
運動不足
からだの活動量と筋肉量は比例しているため、からだを動かすことが減ると筋肉は減少します。
高齢期に見られる筋肉量の減少と身体機能の衰えは、サルコペニアと呼ばれフレイルの原因のひとつになっています。
社会との関わりの不足
外出の機会が減ると、からだを動かすことや、人と交流することが減ってしまいます。
そうすると、からだや心の健康が損なわれてしまい、フレイル状態につながります。
反対に、就労やボランティアなど社会との関わりを持っている人は、フレイルに対するリスクが低いと言われています。
こんなご相談の事例があります
ケガがきっかけで家族がフレイルを疑った事例
母が自宅の階段で転倒し、大腿骨を骨折してしまい手術・リハビリを経て退院したものの、入院前に比べると体重も減り、体力、筋力もすっかり落ちてしまいました。
ケガをする前は毎日ウォーキングをしていたけど、今では転倒が怖くて外出もしなくなりました。
外での交流がなくなって引きこもってしまうのが心配です。
【改善策】体を支える面積を広げ、足腰にかかる荷重を減らすために杖を購入。
【結果】ふらつきにくくなり、歩きにもリズムが生まれ安定感が高まった。
同居家族が加齢に伴うフレイルを疑った事例
高齢になった親が食べることにも体力を消耗するようになり、疲れるようで食事の量が減りました。
それと共に体重も減ってきており、気が付けば見た目もなんだか弱々しくなってきました。
介護が必要になりそうなので、今からできる準備を検討しています。
【改善策】地域の包括センターに相談に行き、介護申請の手続きをした。
また、保健師からのアドバイスも受け、栄養補助食品を使ってみる事にした。
【結果】栄養補助食品の利用により、本人も美味しく食べられているし、栄養バランスの心配を減らすことができた。
また介護保険を利用して様々なサービスも受け、家族も安心して介護を行えている。
本人がこころの異変を感じた事例
定年退職してから特にすることもなくなり、年を取ったせいか、この頃は何をするにしても気力が湧いてこなくなった。
外出も億劫に感じるし、誰とも会いたくないと思うようになった。
元々こんな性格ではなかったのだけど、このままどんどん気が滅入っていきそうです。
家族にも相談してみて、改善に向けた行動を取らなければと思っています。
【改善策】地域の包括センターに相談し、地域の健康教室を紹介してもらった。
【結果】社会交流を通じて、気軽に悩みや不安を相談しあえる友人を持つことができ、こころの状態も安定してきた。
フレイルの予防と対策
フレイルを予防するためには、適度な「運動」と「栄養バランス」のとれた食生活、そして「社会活動への参加」が重要となり、それらはフレイルの予防で掲げる3つの柱と言われています。
特に「社会活動への参加」頻度の低下が、フレイルの入り口になりやすいと言われています。
就労やボランティア活動、友人や知人との交流や近所付き合いなど、地域社会に関わる活動に参加することが効果的です。
早めの気付きが重要!
心とからだのちょっとした衰えにいち早く気付くことが大切です。
そして自分事として前向きに捉えて行動することが、その後の効果も大きいと考えられています。
持病をコントロールして悪化させない!
すでに慢性疾患がある場合は、悪化させないように持病をコントロールすることが大切です。
持病の治療がうまくいかず、さまざまな症状が現れると行動が制限されたりして身体機能が低下してしまうこともあります。
からだの負担にならないような持病のコントロール方法を教えてもらうなど、かかりつけ医とうまく連携して、持病の悪化を防ぐこともフレイルの予防につながります。
感染症の予防を!
高齢者は免疫力が低下していることが多く、感染症にかかりやすいと言われています。
感染症が重症化して入院すると、そのまま寝たきりになってしまうこともあります。
基本的な手洗い・うがいなどの清潔保持を行うことや、適度な運動やバランスの取れた食事などで免疫力を高める体づくりをしておくことが重要です。
ダスキンヘルスレントができること
ダスキンヘルスレントでは、介護保険についてのご相談やお問い合わせも多数いただいております。
例えば、そもそも介護保険とは何なのか、介護保険を使ってどんなサービスが受けられるようになるのか・・・など、分からない事の方が多いお客様がほとんどです。
また、介護保険の申請については、申請をしてから認定が出るまで、必要に応じて地域の包括センターとも連携を取りながら進めていくので、お客様にかかる負担も少なくて済みます。
【お取り扱い商品例】
歩行に不安が出てきたお客様には多点杖や歩行器をご紹介させていただく事が出来ます。
また、安全に外出ができるようにお身体の状況に合わせて最適な商品を選定させて頂きます。
介護保険を使ってのレンタルだけではなく、杖やシルバーカーの販売も取り扱っております。
杖
歩行器
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ダスキンでは、介護保険を利用しての福祉用具レンタルだけでなく、生活支援用具の販売も行っております。
加齢に伴う体重減少が気になる方や、栄養バランスに不安があるといったお客様には、栄養補助食品や経口保水液などをご紹介させていただく事が出来ます。
栄養補助食品
経口補水液
お困りの事がありましたら、ぜひ一度ダスキンヘルスレント大分南ステーションにご相談ください。