ご家族の介護をされている方で「床ずれはなぜできるのか?」「そもそも床ずれって?」という疑問をお持ちの方がいます。
床ずれは主に寝たきりの状態が長い方や、自分で寝返りができない方、痩せている方などに起こりやすい症状です。
一度できてしまうと完治するまでに時間がかかり、それに伴う労力も必要とするため、日頃から予防を心がける事が大切です。
今回は、床ずれの予防法や床ずれ防止用具などについてご紹介します。
床ずれとは?
寝返りができずに同じ姿勢で寝ている時間が長かったり、かかとやお尻などの骨の出っ張った部分が圧迫され続けると血行が悪くなり、皮膚に赤みが生じてきます。
そのうち、皮膚組織が死んでしまった状態を床ずれと言います。
どうして床ずれはできるのか?
例えば栄養状態が悪く、痩せてしまうことで骨が突出し、その部分に外からの圧力や摩擦が加わることによって起こります。
外側から力が加わると皮膚の内部で応力が発生し、それらが様々な方向へ動くことで皮膚組織が損傷します。
こういった原因は目には見えないため、注意が必要です。
床ずれのできやすい人や場所
では、どんな人に床ずれはできやすいのでしょうか?
①麻痺や拘縮があり、自分で寝返りができない方
②食事を十分に摂れず、栄養不足のため免疫力が低下している人
③痩せている方(皮下脂肪や筋肉が減少し、骨が突出している方)
④むくみがある方(皮膚細胞の機能が浮腫によって低下している方)
⑤おむつをつけている方で排泄物や発汗により、皮膚にふやけがある方
⑥薬の副作用などで免疫力が低下している方
⑦圧迫だけでなく、摩擦やズレなどの刺激が繰り返されている方など
仰向けで寝ている状態の方は「後頭部」「肩甲骨」「仙骨部」「かかと」などに起こりやすく、横向きで寝ている状態の方は「肩」「肘」「腰の付け根部分」「くるぶし」などに起こりやすくなります。
床ずれによって起こる症状
床ずれの進行
床ずれの進行を防ぐためにも初期の段階での発見が大切です。
排泄時や入浴時の介助をする時にこまめに皮膚の状態を観察する必要があります。
床ずれの初期症状は皮膚に見られる発赤です。
その後、内出血や水泡、びらんなどが見られるようになり、重症化すると皮膚が壊死します。そこから更に進行すると皮下脂肪や筋肉、骨にまで傷が広がってしまいます。
症状の進行度合いは以下の基準によって判断されます。
床ずれの症状の判断基準
深さの判明が不可能
床ずれの状態は皮膚の損傷も発赤もなし
深さステージ1
床ずれの状態は、圧迫がなくても発赤が続いている
深さステージ2
床ずれの状態は、真皮まで損傷、薄い水泡や浅い潰瘍がある
深さステージ3
床ずれの状態は、真皮を超えて皮下組織まで損傷している
深さステージ4
床ずれの状態は、皮下組織を超えて筋肉や骨に及ぶ損傷がある
深さの判定が不可能
床ずれの状態は、皮膚または皮膚組織の全層が欠損している
さらに、床ずれは進行し続けると合併症を引き起こす可能性があります。
床ずれによって起きる合併症
合併症の原因は、床ずれから細菌が感染するため、以下のような事が起こります。
①感染が骨まで達する骨髄炎
②感染が血流にまで広がる菌血症
③発熱や悪寒を引き起こす
④脳や心臓に感染が広がる髄膜炎や心内膜炎
⑤治らない床ずれの場合、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、瘻孔(ろうこう)が生じる
床ずれの予防方法と商品のご紹介
適切なマットレスを選ぶ
床ずれができていなくても、むくみや骨の突出、関節の拘縮が見られると床ずれができやすくなります。
マットレス上での動きを制限しないようにある程度の硬さを備えつつ、体圧分散効果のあるマットレスを使って床ずれリスクを軽減しましょう。
≪床ずれ防止マットレスの紹介≫
アルファプラFマットレス
柔らかいのに弾力があるという特徴を備えた、低体重の方へのケアから生まれたマットレス。
変形してもすばやく戻る高弾性があり、適度な弾力によって少ない力での寝返りや起き上がりをサポートしてくれます。
ストレッチグライドマットレス
ポリエステル素材とウレタンフォームを組み合わせた独自の構造により、寝返りが打ちやすいなど、身体が動きやすいマットレスです。
また、腰部と大腿部を支えて、もっとも体重のかかる臀部はやわらかい素材で浮かせるように支える構造になっているため、自然な寝姿勢を保つことができます。
ディンプルマットレス
マットレス内部にディンプル形状の空間を持たせる事で、身体への反力を軽減させたマットレスです。
かかとや骨の突出部位にはピンポイントで沈み込ませ、大きな部位には接触面積を増やす事で、体重バランスに合わせた体圧分散を行います。
体位変換を行う
自力での寝返りが難しい場合は、エアーマットレスを使って体位変換を行い、同じ部位への圧迫を避けるようにしましょう。
ベッド上で過ごす時間が長いと身体機能の低下を招き、床ずれだけでなく内臓の疾患にもつながります。
≪床ずれ防止エアーマットレスの紹介≫
オスカー
体圧分散・除圧機能・ずれ力対策・寝心地・座位安定性・むれ対策・ひえ対策・体位変換・安全衛生対策の9つの特性を備えており、さまざま利用者の身体に合う高機能仕様になっています。
ステージア
自動体圧調整により、体型や体重に関係なく、誰が寝ても最適な体圧分散になるように自動で調整をしてくれます。
また、寝心地のよさを持続させながら圧切替(除圧)を行い、身体の50%をマイクロエアセルで支え、残りの50%で除圧を行います。
マイクロクライメイトビッグセルアイズ
床ずれ発生の要因である「圧迫」「ずれ」「摩擦」に加え、「皮膚温度・湿度」の対策としてエアーマットレス内にこもった熱や湿気をファンヒーターが吸い込み、外部に排気します。
常に効果的な空気の流れを作り出し、24時間、皮膚局所の温度と湿度を快適に保つことが出来ます。この効果は背上げ時でも変わりません。
また、体重20キロ~140キロの設定ができ、体重の軽い方にも最適な床ずれ防止環境を整えることができます。
ポジショニングクッションを利用して身体への負担を軽減させる
寝ている際に体重がかかっている部分をなるべく広い面積で支える事により、体への負担が軽減され、床ずれの予防になります。
≪体位変換用具の紹介≫
ウェルピーHC ウェーブ
中身は特殊加工のウレタンチップで、安定性と耐久性に優れています。
また、ウレタンフォームの弾力性により、沈み込みすぎず身体を優しく支えます。
少ない力で体位変換できるポケット付き。
洗濯機で洗えて、乾燥機での高温乾燥も可能です。
ウェルピーHC ブーメラン(大)
ハンディポケットがついていることで、からだに差し込みやすく、広い面積で支えることができるため、からだへの刺激を軽減しながら体位変換やポジショニングができます。
セロリBタイプ スネーク型
持ち手を引っ張るだけの動作で力を必要とせず簡単に体位変換ができます。
また、体位変換した姿勢をそのまま保持することもできます。
福祉用具でお困りの際はぜひダスキヘルスレントへ!
床ずれは早期発見・早期治療が必要です。また、床ずれにならないように日頃からの予防が大切です。
しかし、床ずれを予防するには、24時間を通して介護を受ける方に関わる必要があり、介護をする方にとっては大きな負担とも言えます。
そのため、ダスキンヘルスレントでは介護者の負担軽減を図るうえでも、必要に応じた介護サービスや福祉用具レンタルの利用をおすすめしています。
お困りの際はぜひダスキンヘルスレントへご相談ください。